なぜ棚卸が重要なのか?
粉飾と脱税
先日棚卸について書かせてもらいました。
少しそれに補足して棚卸の重要性について書いていきたいと思います!
棚卸の誤りは損益の誤りに直結します。よって税務調査でもよく指摘される事項になります。
①棚卸金額が多い場合(粉飾)
②棚卸金額が少ない場合(脱税)
言葉は悪いですがイメージとしては粉飾と脱税です。
①粉飾とは…極端なイメージ的には赤字を黒字にするために、在庫を多く計上(経費を減らす)します。黒字にして税金を払うので、その期だけ見れば税務署側からすれば特に咎める必要がありません。
②脱税とは…極端なイメージ的には黒字を赤字にするために、在庫を減らして計上(経費を増やす)します。黒字だと税金を納付しなくてはいけないので、赤字にすることです。税務署側からみれば納付されるべき税金が納付されないことになるため問題です。
※端的にお話ししているだけで、粉飾も脱税もそれ以外の問題もありますのでダメ!
税務調査で考え得る論点
税務調査ではどのあたりが論点となるのか。浮かぶ範囲で…
①現物を拾った在庫用紙からまとめの在庫用紙への転記ミスがないか?
せっかく汗水垂らして拾った在庫の転記ミスをしては元も子もありません。しっかり拾った在庫数量がまとめの在庫用紙に転記されているか注意しましょう!
②選択した評価方法により単価が入力されているか?
法人も個人も原則的には最終仕入原価法になります。その商品の最終仕入単価が在庫表に記入されているか確認しましょう!
③計算ミスしてない?
パソコンで在庫表をまとめるのが主流となっています。便利な反面計算式のミスが多く見受けられます。ちゃんと上の①(数量)×②(単価)が入っていますかー?これは基本横計になると思いますけど、縦計の計算式ミス(パソコンがやるので計算ミスはしないんですよね(*´Д`)オートサムが下まできてねぇ!とか…(;^_^A )はしていませんか?今一度ダブルクリックして計算式を要確認!!!
④取得価額に含まれるべき付随費用がちゃんと取得価額に入っているか?
例えば購入した棚卸資産の場合は購入代金だけではなく、引き取り運賃や荷役費、運送保険料、購入手数料や関税その他その資産の購入に要した費用の合計額がその資産の取得価額となります。購入代金しかイメージのない方は今一度確認しましょう。
⑤預け在庫がカウントされているか?
棚卸をするときに自社にある分を拾うのは大前提となりますが、忘れがちなのが預け在庫(何等かの理由で他の会社に預かってもらっている等)です。仕入れだけして預けてあるものは売上が計上されていないので費用収益対応の観点から在庫に含める必要がありますね。忘れないように気をつけましょう!(^^)!
⑥消費税の税込経理・税抜経理での棚卸金額の違い
会社が税込経理を選択していれば棚卸金額は税込で計上すべきですし、税抜経理を選択していれば税抜金額で在庫は計上します。そこも間違えないようにチェックしましょう!
会社の業績に直結!
税務調査では申告内容によっては見解の相違ということもありますが、棚卸の計算ミスのようなものは弁解の余地がありません。
何より棚卸計算等を間違えてしまうと会社の業績に直結していきます。
まとめ
会社の業績に直結する非常に大切な項目です。その反面、棚卸について安易に考えがちであったり、計算ミスということが散見されますので、緊張感を強く持って棚卸の計上に取り組みましょう(*^^*)